
こんにちは。東京・狛江の谷田部畳店です。
今は種類、金額共に実にいろいろな畳があります。
ホームセンターに行けば、1枚数千円の置き畳がありますし、インターネットで調べれば1枚3,000円程度で表替えをしてくれる業者さんもあるようです。
好みの多様化に伴い、畳もいろいろな種類やグレード、ランクがあって良いと思います。それぞれのニーズに合わせた畳を選んで頂くことで、少しでも多くの方に畳と接してもらえたらありがたいことです。
しかしながら、私たちは、
「日本固有の文化である畳を守りたい...」
「日本人なら畳の部屋にすべき...」
こんな後ろ向きで独りよがりな考えはひとかけらも持っていません。
「伝統文化を守る」とか「日本人なら〜〜すべき」とか、
それは携わっている側の勝手な都合に過ぎません。
一般の消費者の方からすれば、
伝統だろうが何だろうが良ければ使うし、欲しくなければ買わない。
ただそれだけの話です。
ただ、私たちは畳はとても良いものだと思っていますので、
その畳の良さを多くの方に伝えることは大切だと考えています。
最近は寺院や神社などでもカーペット敷きのところが増えています。
それはなぜでしょうか。
「日焼けして色が変わらない(変わりづらい)」
「古い畳みたいに毛羽立たない」
「イスを置いても痛みづらい」
など、畳より良い点があるからです。
確かに畳より良いところはあるかと思います。
しかし、その一方で畳だけが持つ良さもあります。
やはり寺院の本堂、神社の本殿は畳敷きとカーペット敷きとでは仏壇、祭壇の見栄えは圧倒的に畳敷きの方が良いです。
畳敷きの部屋の凛とした雰囲気、落ち着いた佇まいは、カーペット敷きの部屋では決して出せません。
畳業界は斜陽産業と言われています。
確かに一般住宅において和室の割合は非常に少なくなり、
畳の生産量も劇的に減少しています。
しかし、考えてみれば、ほとんどの日本の伝統文化、芸術、技術は斜陽産業と言えます。
多くの方が日本の伝統的なものに対しての興味・関心が薄くなっています。
一体それはなぜでしょうか。
理由はいろいろあるかと思いますが、
キーワードの一つとして「とっつきにくい」という言葉が挙がるかと思います。
「敷居が高い」と言い換えても良いかもしれません。
例えば茶道、着付け、生け花、日本舞踊などは、一般的に気軽に学べるという感じはあまりしません。
「何だか怖そうだし、金額も高そう... そして、どこで学べるのかも分からない...」といったイメージを持つ人も多いかと思います。
その一方で例えばフラダンス、ヨーガ、スポーツジムなどはどうでしょうか。
その気になれば明日にも習いに行ける気軽な雰囲気がありますし、
通えるスクールを簡単に探し出すことができます。
それはお客様目線に立ち、入会してもらえるよう積極的に宣伝をしたり、
通いやすい雰囲気を出したりして、積極的に発信をしているからです。
日本の伝統文化・芸術・技術は、当事者側が無意識の内に門戸を閉ざしている(ように見える)ことが多いです。
積極的な宣伝もしていません。
要は偉そうなのです。
別に困っていないのなら問題はありませんが、「存続の危機」とか「後継者がなく廃業」とかよく聞きます。
困っているのなら対策を取らなくてはいけません。
私たち谷田部畳店は、畳の良さを一人でも多くの方に知ってもらうべく、
「多々美(畳)を伝える、拡げる」をモットーに、
畳の良さを多くの方に積極的に伝えていきたいと考えています。
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