新しい畳と共にお届けするもの... それは笑顔
こんにちは。東京・狛江の谷田部畳店です。
お盆前後はどうしても立て込み、ブログの更新が疎かになっておりました。
先日は神奈川県川崎市の寺院様にて、
ご住職ご家族がお住まいのリビングの縁(へり)なし畳と、
ご住職がお塔婆を書いたり、法衣の着替えをするお部屋の畳替えをさせて頂きました。
リビングは16年、和室は8年ぐらい畳替えをしていなかったとのことで、
どうしても色が変わり、痛んできてしまっておりました。
しかし、真新しい緑色の畳をお納めしましたところ、
藺草(いぐさ)の香りが部屋中に広がり、
その瞬間、お客様は笑顔になられました。
今回のお客様だけでなく、
新しい畳がお部屋に敷かれると皆様、笑顔になられます。
私たち畳店は新しい畳と共にお客様に笑顔もお届けできるのだなと、
つくづく実感しました。
上の写真は敷いたばかりの畳の上で、
お客様よりお茶とお菓子のご接待を頂くところです。
「敷いたばかりの新しい畳の上で、
私たちが座ってお茶を頂くなんてとんでもないですよ!!」
とお答えしたのですが、
「まあまあ、暑い中がんばってくれたし、一服してってよ!!」
とご住職に促され、遠慮なくおいしいお茶とお菓子を頂戴しながら、
川崎南部と狛江や世田谷南部の間を流れる多摩川にまつわる話で盛り上がりました。
畳... 香りのある住宅設備
畳表の原材料は植物の藺草(いぐさ)です。
植物ですので当然、香りがあり、
その藺草の香りは数年は畳に残ります。
畳は香りのある住宅設備です。
畳の他に香りのある住宅設備はあるでしょうか。
ヒノキで作ったお風呂や建材などは香りがありますが、
他にはあまりないのではないでしょうか。
そう考えると、畳はとてもユニークな住宅設備だと言えるでしょう。
ござ1枚でもいい香りがします。
同じ床材でみても、カーペットもフローリングもクッションフロアも香りはありません。
(科学的な臭いはあるかもしれませんが...)
人間は植物の香りや植物との交わりを求めている
藺草の香りは精神的なリラックス効果があるとも言われています。
確かに部屋中に満ちた藺草の香りを嗅ぐと落ち着く感じがします。
それはヒノキなんかでも同じだと思います。
人間は植物の匂いを嗅ぐとリラックスして落ち着くのでしょう。
日本の住宅は木材建築が多いですが、
柱や梁に使われる木材の匂いは部屋の中までは届きません。
しかし、そこに畳やござが敷いてあれば、お部屋は草原の中にいるのと同じになります。
人間が本来求めている植物の香りや植物との交わりを畳は満たしてくれるとも言えるでしょう。
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